山口大学遺伝子実験施設セミナーのご案内

セミナーのご案内

DNAシークエンスサンプル処理トレーニングコースと次世代シークエンサー

遺伝子実験施設では、塩基配列決定業務をみなさまから受託し解析を行ってきました。
しかし、残念ながら一部で解析できないサンプルをお預かりすることがありました。

そこで、遺伝子実験施設職員とABIが協力し、シークエンスサンプルの調整法に関するトレーニングコースを実施します。
このトレーニングでは、従来から施設職員が行っているサンプル調整法をご紹介すると共にさらに簡便にDye除去が可能な新商品を案内致します。
皆様が行っているサンプル調整を同時に行っていただき、比較することもできます。

サンプルを持参いただいても結構ですし、施設で準備した標準サンプルをお使いいただいても結構です。
ぜひ、みなさまのご参加をお待ちしております。

なお、2日目の午後は、次世代シークエンサーSolidのセミナーを予定しております。
急速に普及しています次世代シークエンサーの詳細をご案内いただけます。

日時:平成21年1月29日(木)10時から17時(予定)
                シークエンスサンプルの調製実技
        1月30日(金)10時から12時(予定)
                データ解析と質疑応答
                13時半から15時(予定)
                次世代シークエンサーセミナー
募集人員:1日目 8名 先着順(できるだけ1研究室から1名:希望セッションのみ参加の方は、セッション番号を記載ください)
     2日目 30名(データ解析およびセミナー共に) 
集合場所:山口大学遺伝子実験施設3階カンファレンスルーム
準備するもの:1日目のみ 白衣、筆記具、(可能であれば)ピペットおよびサンプル(PCR産物、プライマーなど;準備できない場合は、事前に施設に連絡)


DNAシークエンサートレーニングタイムスケジュール詳細
 
クローニングされた遺伝子断片やPCR産物などのDNA断片を精製後サンガー法の酵素反応により4色の蛍光でラベルされた反応生成物が得られる。
この反応生成物を3100DNAシークエンサーおよびシーケンス解析ソフトウェアで解析することによりDNAの塩基配列を決定する。

以上の流れがDNAシークエンス解析の大まかな流れですが、質の良いデーターを取得する為に、各ステップごとにおいて、注意する点がいくつかあります。
そこで、今回行なうトレーニングでは参加されるお客様のサンプルを用いて、実際に体験してノウハウを取得して頂く事が目的です。
 
各セッション別に分けてありますので、ご興味があるセッションのみの参加でも構いません。
多くのご参加お待ちしております。
 

1日目(1/29)
(1) 10:00〜12:00 サンプル精製についての説明及び実施
概要説明、精製方法説明、PCR試薬調製、PCRスタート、ゲルで確認、
精製開始(ExoSAP-IT(要試薬準備))
(2) 13:30〜16:00 シークエンス反応について説明及び実施
シークエンス方法説明、シークエンス試薬調整、シークエンス反応
反応後の過剰なDyeの除去方法説明(BigDyeX試薬)
(3) 16:00〜17:00 シークエンサーセットアップ説明及びラン開始
          その他、トラブルシュート、質疑応答
 
2日目(1/30)
(4) 10:00〜12:00 シークエンスデーター解析について
シークエンスデーター解析、解析ソフトウェア紹介、トラブルシュート、質疑応答
(5) 13:30〜15:00 次世代シークエンサー〜SOLiD™システム〜の紹介
日時: 平成 21 年 1 月  30 日 PM13:30〜PM15:00
場所: 山口大学総合科学実験センター遺伝子実験施設3階カンファレンスルーム
講師: ABI 東 きょう様

タイトル:「Applied Biosystems社製 次世代シーケンサー〜SOLiD™システム〜の紹介」

 
SOLiD™ システムの検出原理と特徴、SOLiD™ システムを使用したアプリケーションおよびデータ実例、発現解析、ゲノム構造変化の解明、SNPの網羅的同定、メチレーション解析
要旨:
アプライドバイオシステムズのNext-Generation SystemであるSOLiD™システムは、2007年11月に販売を開始した新しいシステムです。SOLiD™システムは配列解析のためにリガーゼを使うという画期的な方法を用い、1回のラン(スライドグラス2枚)で2億本以上のタグ配列、塩基数にして100億(10G)bpの参照配列へマッピング可能な配列情報を取得することが可能という高いスループット、高い精度、低いコストを実現した遺伝子解析装置です。これは同種の次世代遺伝子解析システムの中で最高のスループットを実現しています。すでにSOLiD™システムを用いた共同研究の結果から、興味深い知見が得られつつあります。
従来のシーケンサーの使用法の枠組みを越えて、トランスクリプトーム解析では大きなダイナミックレンジや新たなスプライシングパターンの発見が報告され、発現解析の手法に新たなスタンダードを確立しつつあります。クロマチン免疫沈降法との組み合わせにより特定タンパク質のゲノム上の結合領域をゲノムワイドに同定、或いはゲノムワイドにメチル化解析を行うといったアプリケーションも報告されるようになりました。このようにタグ配列を決定し、かつタグ数をカウントすることで実現できるタグ解析では、アレイを遙かにしのぐデータが報告されています。
またシーケンシング解析においてもSOLiD™システムの特徴を発揮したデータが得られています。ホールゲノムリシーケンスではゲノム上の挿入・欠失の同定にSOLiD™システムの大きなインサートサイズのメイトペア解析(現在最大10kbpまで可能)の有用性が示されました。さらに、特定領域を解析するターゲットリシーケンス、SNPの網羅的同定といった種々のアプリケーションから得られた最新のデータについても併せてご紹介させていただきます。
多くのご参加お待ちいたしております。